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院長あいさつ

宗像水光会総合病院 院長 田山 慶一郎

 2024年もいよいよ9月となりました。近年は「異常気象で猛暑が続く」と毎年のように言われていましたが、今年の暑さは正に「異常」であったように思います。7、8月はいずれも新入院患者数が600人/月を超え、救急車搬入台数も380台/月を超えました。原因は、この暑さによる「熱中症」だけでなく、暑さによる「脱水」を原因とする様々な症状で救急搬送される患者さんが多くありました。7月からお盆前までは、新型コロナウイルス感染症も第11波と思われるような感染拡大を見せ、多くの患者さんが受診されました。

 台風10号は、日本全土に甚大な被害をもたらしました。ここ福津・宗像地区も浸水・土砂崩れなどの被害があり、被災された方々には心からお見舞い申し上げます。幸い人命に関わるような大きな被害の報告はなく、当院が災害拠点病院として実際の活動を行う事はありませんでした。当院では事前に「台風対策会議」を開き、行政との連絡確認(要配慮者避難所開設に関してなど)、グループ施設内の安全の確保(駐車場等含む)、患者さんの食事に関する事(食材の確保など)、 透析患者や通所サービス利用者の送迎の調整、予定入退院の調整、職員の通勤に関する調整(宿泊場所確保など)、外来患者・救急患者の受け入れ準備、予定手術・検査の確認(必要なら延期・中止の検討)など対処しました。ここに挙げただけでもほぼ全ての部署に関連する細かな調整が必要になりますが、職員全員が「災害拠点病院」の一員であることを自覚し、災害に対する準備も非常に効率的かつ迅速に行えるようになりました。結局、準備しただけになりましたが、防災訓練も含めて決して「空振り」ではなく、今後の為の「素振り」であると考え経験を積み重ねて行きたいと思っています。

 当院は本年4月より県から「紹介受診重点医療機関」の指定を受けました(下記を御参照ください「紹介受診重点医療機関指定にともなう重要なお知らせ」)。主として地域のクリニック・診療所から患者さんを紹介して頂き、入院治療を行い、治療が終わればまた紹介元で診て頂く、という病院機能になります。これに加えて、「二次救急病院」として主としてこの地域で発生した救急患者を受け入れ治療するという機能があり、この二つが当院の診療の大きな柱であり使命と思っています。今までと大きく変わることはありませんが、災害や感染症拡大などの非常事態は勿論、平時より地域の医療機関、近隣の救急病院と連携を密にして、患者さんの命を守らねばならないと強く思っております。今は、全てのスタッフが共通理念の下に連携して動き、沢山の救急車を受け入れることが出来るようになりました。またロボット支援手術など高度技術を要する手術症例も増加し、多くの患者さんを紹介して頂けるようになりました。これも地域の先生方のお陰と心から感謝致しております。今後もこの2本の柱を意識しながら当院がますます発展していく事が、この地域に貢献していく事になると信じています。冬に向かってインフルエンザの感染拡大なども含めた感染対策をしっかりと行い、当院の使命を全うして行きたいと思います。

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

 

2024年9月
宗像水光会総合病院 院長
田山 慶一郎

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