本年は令和の時代になり2年目を迎えます。年始にあたり本年の当院としての抱負、目標を述べさせて頂きます。院長就任以来5年目にはいりましたが、振り返ってみますと、この4年間おおまかに平均病床利用率は95%前後、平均在院日数12日台と安定した数字となってまいりました。その中で、手術数は右肩上がりに増加し、本年度は2,000例を大きく超える数に激増しました。これは外科系のマンパワーの充実のみならず、内科、そして近隣のクリニックの皆様のお力添えによるところが大きく、院長として心より感謝申し上げる次第です。
急性期病院として多忙な中、本年の目標に掲げますのは「医療の質の更なる向上」と「患者さんに寄り添う医療」の二つです。医療の質に関しては、昨年より小児科医増員による入院診療が再開しました。また本年1月より医師の増員により産婦人科の充実を図っています。泌尿器科では前立腺レーザー切除術を導入し手術時間の短縮と低侵襲手術が可能となりました。脳神経外科は福岡大学筑紫病院脳神経外科 東 登志夫教授の支援を得まして脳卒中に対するカテーテル治療のシステムを確立しました。循環器領域の24時間365日体制に続いて、脳疾患でも急性期治療の拠点として地域貢献出来るものと考えております。院内クリニカルガバナンス委員会では、全院内死亡例と2週間以内の再入院症例の検討し診療結果の検証を行っています。結果に満足することなく、今後の診療が充実していくように日々反省と改善に努めています。そして、急性期病院で多忙であることを言い訳にせず、いつも患者さんに寄り添うことを日々のミーティングで各職種共に確認し合い、アンケート結果に基づき患者さんの声を十分に聴いて日々の診療に反映するようにしています。専門業者による接遇研修の継続、外部講師によるヒューマンスキル、マネージメント研修を中堅職員向けに実施しています。
また災害拠点病院として、災害時の対応のみならず、宗像市、福津市と共同で防災訓練並びにその啓蒙活動に力を入れて行きます。久留米大学医学部学生、宗像地区消防本部、各種学校(栄養、リハ、検査、看護)の実習受け入れなどの教育、地域イベントへの協力、子育て、障がい者支援など本年は今以上に積極的に関わっていきます。
「水光会があるから福津・宗像に住みたい」と言われるような「安心・安全」を提供できる病院、そしてより高いレベルの医療を提供できる病院になること。毎年のことですが、あえてこれを繰り返させて頂き、職員一同の決意として、新年の抱負とさせて頂きます。
2020年1月
宗像水光会総合病院 院長