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外科

診療内容・診療目標

当科は、消化器がん(胃、大腸、肝胆膵)、乳がんなどのがん診療、消化器良性疾患、一般外科、及び救急医療の診療を行っています。手術のみならず、進行がん・再発がんに対する化学療法や緩和医療も行っています。地域の医療機関との連携を密にとり、院内の他科の専門医と協力し、患者さん・家族が満足できる質の高い医療を提供できるよう心掛けています。

非常勤医のご紹介

佐藤真二先生: 上下部内視鏡検査、治療、及び肛門科の診療を行っています。

教育指導体制

当院は基幹型臨床研修病院で9名の外科医(日本外科学会指導医5人/専門医7人、日本消化器外科学会指導医4人/専門医6人、日本乳癌学会専門医/指導医1人、日本乳癌学会乳腺認定医1人、日本内視鏡外科技術認定医1人、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医2人)が診療に従事し、3名の外科指導医(外科統括部長 緒方俊郎、肝胆膵外科部長 石川博人、消化器外科部長 岸本幸也)が専攻医、研修医の指導を行い、ガイドラインに準じた治療を行っています。標準治療を確立するためにクリニカルパスを使用し、外科カンファレンスにて治療方針、術後合併症の原因、対策を検討しています。

外来診療

          
  • 受付時間 初診:午前 8時から11時       
            午後13時から16時
         再診:午前 8時から12時       
            午後13時から17時15分
  •       
  • 診療時間 午前 9時から12時30分       
         午後13時30分から17時30分
  • 2025年4月から土曜日は休診となります
  • 日曜日、祭日の急患は救急外来で対応します

当科で取り扱う主な疾患

一般外科・消化器外科:

    胃がん、大腸悪性腫瘍(結腸がん、直腸がん)、消化管間質腫瘍(GIST)、神経内分泌腫瘍 (NET)、大腸憩室症、虫垂炎、鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、臍ヘルニア、腸閉塞、気胸など

肝疾患:

    肝細胞がん、胆管がん、転移性肝がん、肝血管腫

胆膵疾患:

    胆道がん(胆嚢がん、遠位胆管がん、乳頭部がん)、膵がん、嚢胞性膵腫瘍(膵管内 乳頭粘液腫瘍など)、膵内分泌腫瘍、良性疾患:胆石症(胆嚢結石、総胆管結石)、 膵胆管合流異常症

脾臓疾患:

    脾腫瘍、脾腫(門脈圧亢進症、血小板減少を伴う)

乳腺外科:

    乳がん、乳腺良性疾患(良性腫瘍、乳腺炎)など

肛門科:

    内痔核、裂肛による肛門狭窄、痔瘻、直腸脱

腹部救急疾患:

    外傷、上部・下部消化管穿孔、腸閉塞、急性虫垂炎、急性胆のう炎、虚血性腸疾患など

 

胃がん

積極的に腹腔鏡下胃切除を行っています。進行胃癌に対しては必要に応じて周囲臓器合併切除を行い、根治手術を心がけています。切除不能胃癌に対して化学療法を先行し、腫瘍縮小、消失が得られた症例に対してconversion surgeryにて根治切除を目指します。

大腸がん

腹腔鏡下手術を標準術式としています。従来の開腹手術の1/6-1/5の創で手術ができるため術後の痛みが少なく、術後早期回復が可能です。下部直腸癌では肛門温存ができるように久留米大学大腸肛門外科チームと協力し、最良の治療を提供できるように心がけています。進行再発症例に対する外来化学療法や緩和医療も行っています。

肝胆膵がん

ERCPやESTといった内視鏡検査も当科で行っています。肝切除手術は、症例に応じて腹腔鏡下肝切除も行っています。進行膵癌に対しては化学療法/放射線療法を先行し、膵頭十二指腸切除(根治術)を施行しています。

乳がん

エビデンスに基づいた標準治療を行っています。乳房切除術のほか縮小手術である乳房温存術やセンチネルリンパ節生検を行っています。又、進行がんに対する術前、術後化学療法、ホルモン療法を行い、根治性を追求した医療を行っています。

気胸

自然気胸に対しては胸腔ドレナージ、再発症例に対しては鏡視下手術を行っています。

胆石、胆嚢炎

腹腔鏡下胆嚢摘出術を標準術式とし、症例に応じて整容聖に優れた単孔式腹腔鏡手術( SILS:(Single Incision Laparoscopic Surgery)を行っています。臍を切開して手術を行うため術後の層が臍に隠れ時間とともに創が目立たなくなり、手術したことがわかりにくくなります。

虫垂炎

SILSを第一選択の術式としています。単一の手術創で手術可能であり、傷が目立ちません。

鼠径ヘルニア

腹腔鏡下手術、あるいは前方アプローチ手術の術式選択が可能です。3日間程度の入院加療となります。

腹壁瘢痕ヘルニア

メッシュを用いて腹壁の補強を行います。腹腔鏡下手術も行っています。

肛門直腸疾患

内痔核に対する治療、裂肛による肛門狭窄や痔瘻に対して保存的、外科的治療を行っています。又、直腸脱に対しては低侵襲手術である経肛門的手術のガンツ三輪法のほかに、前者より根治性の高い腹腔鏡下手術を行っています。

胃瘻造設

内視鏡的胃瘻造設を第一選択の術式としますが、胃切除後、あるいは開腹手術の既往がある症例には経皮経食道胃管挿入術(PTEG)も治療選択枝としています。

化学療法

消化器がん(胃がん、大腸がん、肝胆膵がん)、乳がんに対する術後補助化学療法や進行再発癌に対する化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤をガイドラインに準じて積極的に実施しています。

消化器検査

腸閉塞に対するデニスチューブ挿入、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、内視鏡的総胆管結石砕石術、内視鏡的胆道ドレナージ(ERBD)、PTGBD(経皮経肝胆嚢ドレナージ)などの検査、治療も行っています。

トピックス

・乳腺外科医の増員

2025年4月より、乳腺専門医・指導医が1名増員となり、乳腺外科手術をさらに積極的に実施して参ります。

・高齢者の外科手術に
 対応

"高齢者の外科手術が若い方と同等に安全に実施できるか" の課題に対して、当院では患者さんの承諾が得られた場合、術前高齢者機能評価を行い、理学療法士、栄養士と連携して周術期の身体機能、栄養を改善するprehabilitaionを実施し、より安全な高齢者外科医療をめざしています。

・肛門外科

肛門疾患に対する手術も実施しています。肛門疾患を担当する女性医師も常勤し、診察、手術を実施しています。


我々は、近隣の医療機関、及び院内の他科の専門医の先生方との連携を大事にして、地域の皆様に信頼され、質の高い医療を提供できる様に最善を尽くします。

手術症例(2023年度)

臓器別 術例 症例数 鏡視下 開腹症例
胃悪性腫瘍手術
1 胃全摘術 1 1
2 胃切除術 6 6
胃腸吻合 5 4 1
その他 4 3 1
大腸・小腸 イレウス 7 7
結腸悪性腫瘍切除術 19 19
結腸切除術 12 7 5
小腸切除術 8 3 5
人工肛門造設術 17 7 10
人工肛門閉鎖術 3 3
直腸切除術 9 8 1
直腸脱手術 6 1 5
その他 1 1
虫垂 虫垂切除術 22 22
肝臓 肝切除 6 2 4
ラジオ波焼灼療法 6 - -
その他 1 1
胆のう 胆のう摘出術 59 54 5
膵臓 膵頭部腫瘍切除術 3 3
膵管空腸吻合術 1 1
脾臓 脾摘出術 0
乳腺 悪性腫瘍手術 33 - -
その他 4 - -
ヘルニア 鼠径ヘルニア 49 41 8
腹壁瘢痕ヘルニア 7 2 5
臍ヘルニア 1 1
その他 4 4
肛門 痔核手術 38 - -
痔ろう手術 20 - -
裂肛根治手術 5 - -
肛門ポリープ 4 - -
その他 4 - -
その他 試験開腹術 1 1
急性汎発性腹膜炎手術 7 3 4
ポート挿入等 47 - -
その他 22 - -
合計 442 197 62

手術件数の推移(年度別)

内視鏡・経皮的手術

内視鏡・経皮的手術 術例
PTAD・PTCD・PTGBD2例
PEG・PTEG6例
経鼻胆管ドレナージ術(ENBD)2例
内視鏡的胆道砕石術25例
内視鏡的胆道拡張術3例
内視鏡的乳頭切開術(EST)22例
内視鏡的乳頭拡張術3例
消化管ステント留置術15例
胆道ステント留置術22例
膵管ステント留置術4例

NCDデータベース事業参加について

当院は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。 この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。
この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当科が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。
何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

National Clinical Database   http://www.ncd.or.jp/

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