文字の大きさ標準きく

院長あいさつ

宗像水光会総合病院 院長 田山 慶一郎

 1月27日に当院で新型コロナウイルス感染症の院内感染(クラスター)が発生し、3月31日に解除されるまでの間、地域の皆様には大変なご心配をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。その後の経過についてご報告させて頂きます。

 クラスター発生後は、救急搬入及び外科手術の大幅な制限を行いました。救急は循環器、脳疾患の緊急症例のみ受け、外傷など他の多くの疾患は他院へ搬送して頂きました。院内では入院患者さんの転院、退院もままならず、リハビリも制限され入院患者さんやご家族には大変なご迷惑をおかけしました。また多くの職員が勤務の過程で感染し、離脱、治療を余儀なくされました。そして何より、この新型コロナウイルス感染症の影響でお亡くなりになられた患者さんがおられました。心よりご冥福をお祈りいたします。職員一同、医療者として残念な気持ちでいっぱいです。

 前回の「地域の皆様へ」にも掲載しておりますが、病院を挙げての厳重な感染予防対策を行っていたにもかかわらず、院内感染が発生してしまいました。救急を受け入れている以上、感染を完全に予防するのは大変困難です。入院時に検査で陰性でも数日後に陽性になる例も珍しくありません。しかし、常日頃から私達が目指している「この地域の救急医療を支える」という目標が一時的にでも果たせなかったことは本当に残念でした。近くで起こった交通事故の患者さんでさえ他院へ搬送されたという話を聞いて、当院のスタッフの一人が「その患者さんがどうか無事に病院に到着し救命されますようにと祈りました」と話していました。

 一日も早い通常診療への復帰を目指すためには発熱患者さんをお断りすること(発熱外来の中止)や、心筋梗塞や脳卒中などの急患さえ断った方が良いのではないか(救急外来の完全中止)という声も上がりました。しかし、地域医療を考えればそれらを継続しつつ、クラスターの収束、解除を目指すべきと決断し、解除後も段階的に制限を緩めて行きました。

 おかげで4月13日には救急搬入も通常通りとなり、閉鎖していた病棟も入院受け入れを開始することができました。

 様々なこと(面会制限や入院時、入院後のコロナ検査など)が、コロナ禍以前と同じではありませんが、「最大限の感染対策を行いながら救急を始めとする急性期医療を行う」という準備は整いました。再スタートを切るつもりで職員一同頑張って行きます。皆様のご期待に添えるように今後も努力いたしてまいりますのでどうぞよろしくお願い致します。

2021年4月
宗像水光会総合病院 院長
田山 慶一郎

ご来院のみなさまへ

総合メニュー