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心臓血管センター

当院では、心臓血管病に対して高度専門医療を提供することを目的とした心臓血管センターを開設しました。循環器科および心臓血管外科で24時間体制を敷き、全ての心臓血管病に対応しております。

心臓血管センターでは、循環器科医師8名と心臓血管外科医師4名をはじめ、専門の看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、栄養士等が協力し合って診療にあたります。また設備としてはICUおよびCCU(計6床)の他、生理検査室(心臓超音波装置、トレッドミル運動負荷装置、ホルター心電図)、冠動脈CT、心臓血管専用造影検査室、心臓血管外科手術室、心臓リハビリテーション室が備えられております。

心臓血管センターの方針として、循環器疾患の、(1)救急医療、(2)高度医療、(3)地域医療、を提供する事を目指しております。急を要する循環器疾患に対して24時間365日体制での受け入れ、最先端の医療機器を整備し最高の医療技術を習得し、可能な限りすべての循環器疾患治療を完結できるべく体制を整えております。

心臓血管センターでは内科外科の垣根を越えて、忌憚無い意見交換を行っています。毎日のカテーテル症例の検討会、週1回の心臓血管センターカンファレンスで患者さんにとっての最適な治療方針(カテーテル治療、手術、ハイブリッド治療など)を決めています。急患の場合はこの限りではなく、いつでも治療方針について議論できる他に類を見ない心臓血管チームとして機能しています。

「心臓、血管の病気だったら、宗像水光会総合病院・心臓血管センターがあるから大丈夫。」「急に胸を苦しがる患者が来院しても、いつでも宗像水光会総合病院・心臓血管センターで診てくれるから大丈夫。」と宗像、福津、新宮などの地域、および宗像医師会内に安心して頼っていただける事ができるようなセンターになるのが私たちの願いです。

時代が移り変わるとも、医療において救うべき対象は人であることに変わりはありません。
当院では質の高い医療を提供するために、外科と内科の枠を超えた高度な連携治療で心臓血管病全般に対応する「心臓血管センター」を2014年4月に設立しました。
以下のような検査治療を24時間体制で行い、一人でも多くの患者さんを幸せに出来るよう日夜努力しております。

冠動脈CT

画像診断技術の進歩により、心血管領域でもCTによって有用な情報を得られるようになってきました。当院では最新の64列と80列のマルチスライスCTを導入しており、非侵襲的に冠動脈の正確な評価が可能になりました。
狭心症が疑われる患者さん、あるいは動脈硬化の危険因子を有する患者さんに、外来でスクリーニング的に冠動脈CTを年間約500例以上行っています。

冠動脈CT画像

矢印が冠動脈の狭くなっている部位

心臓カテーテル検査・治療

心血管病の診断・治療において、カテーテル技術の進歩はめざましいものがあり、その役割や重要性はますます高まっています。当科では、虚血性心臓病・心臓弁膜症・心筋症・心不全・不整脈・閉塞性動脈硬化症などのあらゆる心血管病に対してカテーテル検査、治療を行っています。
近年のカテーテル検査数と冠動脈CT数は年間1,171例、PCIは年間227例、カテーテルアブレーションは年間約154例となっており、あらゆる難治性の病態に対応できる心臓カテーテルチームが診療にあたっています。
2014年に心臓血管センターが開設され、24時間体制で診療に当たっています。救急患者に対してはさらに迅速な対応が可能となり、患者数も急増しています。

冠動脈インターベンションの前(左)後(右)の画像

赤矢印が狭くなっている冠動脈。黄矢印がステント治療後の広がった冠動脈

閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療

治療前(左)は左下肢動脈に狭くなっている部位を認める。バールーン治療(真ん中)により、狭くなっていた部位が広がっている(右)。

不整脈治療

不整脈に対するカテーテルを用いた電気生理学的検査およびカテーテルアブレーションにも力を入れています。
カテーテルアブレーションは低侵襲的根治療法として確立されており、WPW症候群、発作性上室性頻拍症、心房粗動、心房頻拍、心房細動、心室頻拍などすべての頻脈性不整脈を対象に治療を行なっています。
不整脈の起源、回路を同定し、治療標的を的確に診断するために最新の3次元マッピングシステム(CARTO system, EnSite system)も活用し、高い治療成績を上げています。
また、徐脈性不整脈に対してはペースメーカー植え込み術を行っています。

デバイス治療

ペースメーカー

脈が遅くなることを「徐脈」と言い、めまい・息切れ・意識消失などの症状が現れ、重症化すると心停止を生じ突然死を来すこともあります。ペースメーカー移植術とは徐脈に対する治療方法で、これにより正常な脈拍を保つことが可能となります。
2018年7月より従来の心臓リードが不要なリードレスペースメーカー移植術も当院で施行可能と なり、治療の選択肢が増えています。


   <ペースメーカー植え込み後>
鎖骨下に本体、心臓内にリードを留置
   <リードレスペースメーカー>
   1.75gの本体を直接心臓内に固定

植え込み型除細動器(ICD)/心臓再同期療法(CRT)

心臓突然死につながる心室頻拍や心室細動の既往のある方もしくは
そのリスクが高いと考えられる方は、突然死予防としてICDの適応
となります。
また、心臓収縮のタイミングがずれることで心不全を繰り返す方には
CRTにて改善することが期待されます。

当院では日本循環器学会のガイドラインに従い、これらの
デバイス治療の適応を検討し心不全治療を行っています。

<心臓再同期療法(CRT)>   
特殊なペースメーカーにて心臓の機能を改善

下肢静脈瘤血管内治療

下肢静脈瘤とは、ボコボコとコブのように、足の静脈がはれ上がる症状が現れます。
心臓から足に送られ、使い終わった汚れた血液は「静脈」を通って心臓に戻ります。
重力に逆らって血液を運ぶ必要があるため、「静脈」にある弁により、一度心臓方向に上がった血液が逆流しないようになっています。
この弁が壊れると、血液の逆流が生じ、正常に心臓に血液を運ぶことができなくなり、足に血液が溜まってきて、静脈がこぶのように膨らみ浮き出てきます。これが「下肢静脈瘤」です。

外来

紹介外来は主に、月~土曜日の午前中ですが、救急外来は特に時間指定はありません。急を要する場合、いつでもお気軽にご相談、ご連絡ください。

施設認定

  • 日本外科学会外科専門医制度修練施設
  • 心臓血管外科専門医認定機構指定施設
  • 腹部大動脈瘤ステントグラフト実施施設
  • 胸部大動脈瘤ステントグラフト実施施設
  • 下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による実施施設
  • 日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
  • 日本心血管インターベンション治療学会研修施設
  • 日本内科学会認定医制度教育病院
  • ステントグラフト実施施設
  • 胸部ステントグラフト実施施設
  • ロータブレータ、ダイヤモンドバック実施施設
  • CRT+ICD,S-ICD実施施設

循環器科実績(2023年度)

動脈硬化治療 件数
冠動脈インターベンション数(ACS) 208(88)
Rota 8
DCB 47
IVUS 205
FFR/IFR 17
補助循環症例数 IABP:9
PCPS:7
末梢血管インターベンション数 17
心筋生検 14
不整脈治療 件数
カテーテルアブレーション数 総数:237
心房細動 198(84%)
発作性 90(45%)
持続性 108(55%)
永続性 0(0%)
平均年齢 72歳
男性 127(64%)
RF 198(100%)
クライオ 0(0%)
デバイス 総数:84
ペースメーカー移植術 新規:26
交換:22
ICD 新規:8
交換:1
CRT(P/D) 新規:6(2/4)
交換:1(1/0)

心臓血管外科手術症例(2023年度)

分類   入院症例
冠動脈疾患手術 冠動脈、大動脈バイパス移植術(CABG) 2
弁膜症手術 大動脈弁置換術(AVR) 3
憎帽弁形成術(MVP) 1
その他開心術 不整脈手術 3
胸部大動脈瘤 大動脈瘤切除術(上行大動脈) 4
大動脈瘤切除術(上行大動脈)(大動脈弁置換術を伴うもの) 1
大動脈瘤切除術(上行大動脈)(人工弁置換術を伴うもの) 1
大動脈瘤切除術(上行大動脈+弓部大動脈) 3
大動脈瘤切除術(下行大動脈) 1
ステントグラフト内挿術 5
腹部大動脈瘤 大動脈瘤切除 10
ステントグラフト内挿術 11
血管外科手術 血管移植術、バイパス移植術 13
下肢静脈瘤手術(外来含む) 42
動脈塞栓除去術 2
動脈形成術、吻合術 2
四肢の血管拡張術・血栓除去術 1
内シャント設置術 13
四肢切断術 15
その他の手術 その他手術 29
総計 162

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