当院は、今急速な発展を遂げつつある宗像・福津地域での唯一の総合病院です。開設以来50年間、一日も外来を休むことなく救急医療を行って参りました。 現在、「地域包括ケアシステム」の構築が国家主導で行われており、医療関係者のみならず、広く国民の知るところとなっています。少子高齢化に伴う社会保障費の伸びを抑えるべく、地域住民による互助で疾病予防から介護までを行っていこうという考えです。その中でこの地域の急性期医療を担う中核病院として、私どもは全身全霊を傾けて、患者の皆様の命を預かり、健康になって頂くためのお手伝いをさせて頂いております。「治る」「健康になる」のは患者の皆様方であり、私たちはその補助をするに過ぎません。だからこそ、予防、治療、その後のリハビリ、介護まで継続した医療を行い、サービスを提供して行くことが使命と考えています。
現在、「決して断らない」医療を目指して年間3000台以上の救急車を受け入れ、手術数も1700例を超えるような「急性期医療」を行っております。しかしそれだけでなく、急性期の治療が終わっても、その後の患者さんの生活がよりスムーズになるように、退院後の介護を含めた「道筋」をしっかりとお示しして行く。それによって、患者さんにとって真の意味での「安心」を与えられるような病院でありたいと思っています。ほぼ全ての患者さんが北九州、福岡に行かずともこの地域で病気を治し、暮らして行けることこそが「地域医療の充実」そのものであり、地域の皆様方へ対する本当の貢献であると肝に銘じております。皆様方のご要望、ご期待に応える為に接遇面、サービス面には特に力を入れております。病院モニター会議では、当初は当院の患者さんに出席頂き、その生の声を聴くこととしていましたが、昨年よりそれに加えて行政や地域の各団体の代表の方にも参加して頂き、当院に求められていることを、より多角的に、そして社会的責任をどう担っていくかの検討まで広げています。また、「接遇」に関しては病院・グループを挙げて外部講師による研修を続けております。医療そのもの以外でも患者さんの満足度が上がるように日々自らの行動・振る舞いをチェックしています。孔子の言葉に「過ちて改めざる、これを過ちという」のがあります。苦情や不満の声も「クレーム」と思わず、その声こそが私どもを成長させて頂く糧として前進して参る所存です。
本年からは福岡県よりこの地域の「災害拠点病院」の指定を受け、天災、人災に関わらず不慮の災害に対応できるように準備を行っています。職員一同、この地域に何かあれば私達が皆様の支えにならなければならない、という強い自覚をもって日々頑張っております。
「水光会があるから宗像・福津に住みたい」と言われるような病院が私どもの目指す目標であります。この目標を達成するために日々努力を重ねて、皆様の「安全で安心できる暮らし」の一助となって参りたいと思います。地域の皆様とともに愉しい明日を考えながら、共に過ごして参りましょう。
2018年1月
宗像水光会総合病院 院長