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院長あいさつ

宗像水光会総合病院 院長 田山 慶一郎

 新年を迎え、院長として本年の抱負、目標を述べさせて頂きます。
昨年7月で院長職を拝命して5年が経ち6年目に入りましたが、令和2年は色んな意味で今までで最も苦しい一年となりました。皆様ご存じのように新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、世界中が影響を受け私達医療従事者にも様々な困難な問題が降りかかりました。1~3月は特に大きな影響はありませんでしたが、4月の緊急事態宣言が発出された頃から患者数が急激に減少し始めました。COVID-19に関する間違った情報も多く流されて、患者さんの「受診控え」が起こりました。また、宗像・福津地区での救急車の出動回数も減少しており「受診しなければならない」方々が受診をせず病状が悪化して入院となったり、早期発見が遅れたりという重要な問題が表面化してきました。

 また、主要学会等から「不要不急の手術・検査は延期するように」との勧告で、循環器のカテーテル治療や内視鏡検査は多くが延期、中止となりました。その間、不安を抱きながらの生活を強いられた患者さん方にとっては非常に辛い時期であったかと思います。

 当院では、この状況を少しでも改善しようと「地域の皆様へ~院長からのメッセージ~」と題して計4回、福津市の郷づくり推進協議会、宗像市のコミュニティ運営協議会などにチラシを郵送し、回覧板などに載せて頂くようお願い致しました。病院・グループとして感染予防に万全を期していることを知って頂き、病気の発見が遅れたり、症状増悪することがないようにと当院の「思い」を伝えました。感染対策として、各入口でのサーモグラフィーによる検温、症状チェックによる入館制限、面会制限を行うと同時に職員には徹底した生活上での自粛を要請しました。「発熱外来」も設置しプレハブの診察室、検査室を増設し、抗原定量検査、遺伝子検査も導入し、検査数も増やしました。 発熱した患者さんが集まることにより、「水光会に行くとコロナがうつる」等という風評被害がでるのではと懸念する声もありましたが、先ほども申し上げましたように当院のこの地域での使命を考えた場合、やらざるを得ないし、それなら積極的にやろうという事になりました。

 年が明けて、ほぼ満床状態が続き心筋梗塞や脳卒中の患者さんが多く救急搬送され、緊急手術を行う毎日となりました。緊急手術前には抗原検査・遺伝子検査を行い、職員の感染を防止せねばなりません。「感染するのでは」という緊張状態が続く中、職員の心労も如何ばかりかと思います。その中で多くの方々から温かい労いの言葉や、マスク、ガウン、お弁当など様々な物資を寄贈頂きました。心から嬉しく、感動致しました。皆様に心より感謝申し上げます。どんなに職員の心が癒され、励みになったかと考えると胸に熱いものがこみ上げます。まさに「地域と共に」歩んで行かなければと思いを新たにしました。まだまだこのコロナ禍は終息しませんが、2月頃にはワクチン接種が始まります。どのような状況になろうが、当院が目指す「地域の人々の安心・安全の拠り所になる」という目標を職員一同再確認し、力を合わせて頑張ってまいります。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2021年1月
宗像水光会総合病院 院長
田山 慶一郎

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