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院長あいさつ

宗像水光会総合病院 院長 田山 慶一郎

 新型コロナウイルス感染が拡大し、4月7日に福岡県に非常事態宣言が発令され、さらにその対象は日本全国へとなりました。 このような危機的状況の中、地域の皆さんもとても不安な毎日を過ごされていると思います。当院と致しましても、新型コロナウイルス対策本部を立ち上げ、細心の注意を払いながら救急も含め通常診療を続けております。患者さんや職員、地域の皆さんが安心・安全に過ごせるよう、より一層気を引き締め対策等行っていく所存です。

 先日、県内でコロナウイルス感染の疑いがある男性の受け入れを複数の医療機関が断り、搬送まで約3時間半かかった事例が確認されたとの報道がありました。 また日本救急医学会にも「脳卒中でも熱が37度以上の場合は受け入れ拒否をしている病院がある」などという声が寄せられています(西日本新聞2020年4月17日)。 このような報道を耳にすると、自分が急病や事故で救急車を呼んだ時に受け入れてもらえるのだろうかと、とても不安な気持ちになるのではないかと思います。

 当院も救急医療を含め、この地域における機能を維持していかねばなりません。当院からコロナウイルス患者が発生すれば、また職員から感染者が出れば病院の機能は維持できず救急患者を受け入れることが不可能になるかも知れません。
 しかし、通常の機能を維持するためにコロナウイルス疑いの患者さんを受け入れないということは絶対にしません。 私たちは「どこにも行き場がない」や「入院が必要」といった患者さんを断るか受け入れるかとなれば、「受け入れる」ことを選択します。 これは当院の地域の中での役割として、やらなければならないことだと考えています。私たちがここで逃げてしまっては、一体何のためにこの病院があるのかということになってしまいます。地域の患者さんは私たちが診る、そして自分たちの手でこの地域を守っていくことが私たちの基本姿勢です。このような時にこそ、地域の皆様の「心の支え」になるためにこの病院は存在していると思っています。

 また今、「このような時こそ地域のために当院が何かできることはないか」と本気で考えています。現在の生活の中で不安な事や、当院にどうあって欲しいか、どのような事をして欲しいなど、何でも構いませんのでお伝え頂ければと思います。もちろん当院として対応可能な事、難しい事はどうしても生じるとは思いますが、少しでもお力になれればと思っています。

 大変な時期で精神的にも不安定になり、いろいろなトラブルも発生しがちです。しかし今こそ、地域の皆さんもどうか冷静さを失わず、また他人を思いやる気持ちを忘れずに「一丸」となりこの苦境を乗り越えていきましょう。

2020年4月
宗像水光会総合病院 院長
田山 慶一郎

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