2019年を迎え、今年こそは大規模な自然災害や、テロ、紛争のない、平和で安定した穏やかな年であることを切に願うところです。 現在、我が国の人口は急速に減少しており、特にこれから高齢者を支える生産年齢人口の減少に歯止めがかからず、少子・超高齢社会に向かって更に年齢別の人口構成が逆ピラミッド化していくことになります。明治維新の頃に約3400万人だった日本の人口が、その後わずか約150年間で急速に増加し、2010年に1億2806万人のピークに達した後、同じ放物線でジェットコースターのように現在急降下しています。
と言いながらも今一つ実感が無いのは何故でしょう。人口問題には地域格差がかなり存在しており、それが医療・介護の需要、職員雇用の問題にも大きく影響しています。地域によっては、早くも高齢化のピークが過ぎ、高齢者も含めて人口減少が著しく、患者さんも減少し、また職員の採用が出来ないことで、医療経営、介護事業自体が成り立たなくなっている所もあります。一方福津市は、昨年比人口が1513人増で、人口増加率は全国でもトップレベルです。これが大きな勘違いの元となります。この人口増加も一過性の現象に過ぎず、いずれはピークを迎え、人口減少に転化していくことを忘れてはなりません。既に人口減少社会への対応に追われている他の地域に比べると、対策が出遅れることにより、気が付いた時には後手に廻って必要な人材確保すらも出来なくなる可能性もあります。
また福津市はオンライン東洋経済調べの2018年全国都市別住みよさランキングで堂々の全国814都市中の11位と福岡県内、九州圏内でも1位であり、その中の安心度の評価が前年267位から9位と大幅ランクアップしました。当水光会グループが医療・介護の充実の面で多少なりとも安心度に貢献できたのではと自負していますが、たとえ人口が減少に傾いたとしても、この医療・介護の質、安心度、安全度を落としてはなりません。そのために現状で何が出来るのか、何に備えなければならないのか、2030年、2040年になっても、地域の医療・介護のニーズにしっかりと対応できるように、人口減少、少子高齢化対策の基本的な施策である地域包括ケアシステム構築に向けて、医療・介護の面から地域をリードしていけるように、今年もグループ職員一同頑張っていく所存です。
皆様のご支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
2019年1月
宗像水光会総合病院 理事長