生活習慣病のひとつである糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなってしまう病気です。血糖値が高い状態が続くと血管に障害がおこり、手足のしびれや網膜症、腎機能低下、動脈硬化など様々な合併症を引き起こすことが知られています。当院では薬剤師が医師、看護師、管理栄養士、理学療法士などの多職種と連携して糖尿病患者さんへの指導にあたっています。患者さんに向けた療養指導のほか、すべての方に糖尿病について知ってもらうことを目的とした糖尿病教室をおこなっています。(糖尿病教室は新型コロナ感染防止の観点から現在休止しています)
薬物治療のスケジュールや予想される副作用の説明、併用薬の確認など、患者さんに安心して投薬をうけていただけるよう個別に説明を行っています。
当院のNSTは、各々の患者さんに沿ったより良い栄養管理を提供するために、医師・栄養士・看護師・理学療法士・歯科医師・歯科衛生士・臨床検査技師・言語聴覚士そして薬剤師で構成されています。疾患や手術後に食事が摂れなくなってしまった方や、経管投与から経口摂取へ移行していきたい方、認知力の低下による食欲不振の方など、それぞれの状況にあった栄養補給方法を多職種の意見を持ち寄って提案しています。薬剤師としては病態に応じた静脈・経腸栄養剤や内服薬・注射薬の処方提案、医薬品の配合変化や相互作用、医薬品の経管投与の情報提供をおこなっています。
▶栄養サポートチーム専門療法士(日本臨床栄養代謝学会) 3名
当院薬局ではICTの一員として、院内で起こるさまざまな感染症から患者・家族、職員の安全を守るために下記の活動へ参加しています。
1回/月の感染対策委員会にて、抗菌薬使用数や使用状況を報告し、感染症の蔓延防止と予防に役立てています。
ICTのメンバーと共に1回/週の院内ラウンドを実施し、現場の感染管理状況の監視と指導を行っています。
耐性菌・抗菌薬・手指消毒等の調査の内、抗菌薬・手指消毒の調査を担い、院内報告を行っています。
医師・看護師・メディカルスタッフ、事務部門への感染管理教育研修を行っています。(2回/年)
感染症法やCDCガイドラインに基づいた感染対策マニュアルの作成や改訂を行っています。
感染対策防止加算Ⅱ施設として、地域医療施設(感染対策防止加算Ⅰ施設)が開催する感染症合同カンファレンスへ参加しています。(4回/年) その際地域医療施設の方へ感染に関する相談を行い、当院での感染対策に役立てています。
また、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)はまだ発足してないですが、当院薬局では、抗菌薬適正使用にも注力し、下記のような医師の診療支援を行っています。
医師からの依頼を受け、実際に患者さんのベットサイドへ伺い、重症度や感染部位、起因金等を医師と協議し、抗菌薬選択を行っています。
血液培養陽性例はすべて担当薬剤師へ報告があるため、広域抗菌薬から狭域抗菌薬への変更依頼を行っています。
治療上必要と思われる検査(各種培養等)も医師へ提案しています。
感染部位で抗菌薬をより効果的にするために、薬物動態を意識した投与量を提案しています。
薬物血中濃度や検査値をモニタリングし、患者さん個人ごとに最適な投与設計を行うことで、安全なテーラーメイド医療の提供をサポートしています。
使用頻度が少ない薬剤とガイドラインでの位置づけが下がった薬剤の見直しや、新薬の採用などを行っています。
広域抗菌薬やMRSA治療薬はすべて届出制をとっており、広域抗菌薬長期処方を防ぎ耐性菌を増やさない目的があります。
▶感染制御認定薬剤師(日本病院薬剤師会) 1名
当院では、褥瘡回診が月に2回行われ、多職種間で意見交換を行っています。その際、薬剤の介入はもちろんの事、患者さんの入院経緯から病室内での様子、検査値、退院先まで幅広い観点から患者さんに向き合い、気付きを意識しながら日々回診に取り組んでいます。また、当委員会では、各メディカルスタッフの専門性を活かした勉強会も行われており、薬剤の特徴や使用方法をメディカルスタッフの方に周知して頂く事で、質の高い医療を提供するよう心掛けています。