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心臓血管外科

当科では、近年、欧米でも推奨されている「ハート・チーム(Heart team)」として、内科(循環器科)と共に診療を行っています。欧米、本邦共にガイドラインの改訂に示されるように共通認識に基づいた治療戦略を立てて、より適切な診療を行うことに努めています。具体的には特に狭心症、心筋梗塞といったいわゆる虚血性心疾患に対して、それぞれの症例でカテーテル治療が適しているのか、手術が適しているのかを議論、判断して治療方針を決めます。それにより、治療後のフォローアップも含めて患者さんに満足して頂けるような治療を目指しています。また、回診、カンファレンスは循環器医、心臓血管外科医合同で行い、更に看護師(病棟、手術室)、薬剤師、理学療法士、臨床工学技士、放射線技師が常時出席し、カテーテル治療、手術、術前・術中・術後管理の計画・実行までの過程を共有し、いわゆる「チーム医療」の実践に取り組んでいます。

非常勤医のご紹介

久留米大学心臓血管外科より非常勤医を派遣して頂き、診療を行っております。

入院診療

現在は基本的に週2例(火曜日、木曜日)の心臓手術を、週4~5例(月曜日、水曜日、金曜日)血管手術を行っております。これに加えて、緊急手術は曜日・昼夜を問わず、全てお引き受けして手術を行っています。

平成17年度より、急激な症例数の増加を認め、右肩上がりに手術数も増加してきましたが、平成24年度は、手術総数は減少傾向にありました(別表参照)。しかしながら、地域の先生方からの御紹介は増加し、特に血管外科症例は増加しました。今後更に症例増加を期待しています。心臓外科は従来より取り組んできた心拍動下冠動脈バイパス術はもとより、患者さんの状態に合わせて、カテーテル治療を組み合わせる、いわゆるハイブリッド手術、僧帽弁逆流症に対する自己弁温存形成術、更には高齢者に対する大動脈弁手術を積極的に行っていく方針です。

基本的な冠動脈バイパス術や弁膜症手術では、術前2~3日、術後10~14日の入院にて治療を行います。これは全国的にも非常に短い期間での回復であり、術後早期からのリハビリテーションによる体力回復にも力を入れています。

心臓血管外科治療に関して、当院で高いレベルの治療を行うことにより、この宗像・福津・古賀地区で治療を完結することによって、患者さんのニーズにお応えすることが使命であり、私たちの目標であります。そのためにも、地域の先生方のご要望・ご期待に出来る限り沿った、スムーズな病診連携が可能となるように努力してまいりたいと思います。

施設認定

  • 日本外科学会外科専門医制度修練施設
  • 心臓血管外科専門医認定機構指定施設
  • 腹部大動脈瘤ステントグラフト実施施設
  • 胸部大動脈瘤ステントグラフト実施施設
  • 下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による実施施設


詳しい治療内容については心臓血管センターページをご覧ください

心臓血管外科手術症例(2022年度)

分類   入院症例
冠動脈疾患手術 冠動脈、大動脈バイパス移植術(CABG) 4
弁膜症手術 大動脈弁置換術(AVR) 5
憎帽弁置換術(MVR) 3
憎帽弁形成術(MVP) 4
弁置換術(2弁のもの) 1
その他開心術 不整脈手術 6
胸部大動脈瘤 大動脈瘤切除術(上行大動脈) 1
大動脈瘤切除術(上行大動脈+弓部大動脈) 6
ステントグラフト内挿術 3
腹部大動脈瘤 大動脈瘤切除 6
ステントグラフト内挿術 7
血管外科手術 血管移植術、バイパス移植術 24
下肢静脈瘤手術(外来含む) 61
動脈塞栓除去術 8
動脈血栓内膜摘出術 3
四肢の血管拡張術・血栓除去術 2
内シャント設置術 17
四肢切断術 20
その他の手術 その他手術 27
総計 208

学会・研究活動

日本胸部外科学会を始め多数の国際・全国学会や地方会に参加し、日頃の診療での成績・結果を発表しており(別表参照)、また、学会の座長として参加することも多く自己研鑽に努めております。また多数の学会(日本胸部外科学会総会・地方会、日本心臓血管学会、日本冠動脈外科学会など)で評議員を務め、重要な役割を果たしています。

論文

論文・著書の表題名 執筆者名(全て) 発表誌
鎖骨下動脈瘤 subclavian artery aneurysum 細川幸夫 別冊 日本臨牀循環器症候群(第3版)ーその他の循環器疾患を含めてー(Ⅱ)

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